世界に、もうひとつのシューズブランドは必要ない

世界に、もうひとつのシューズブランドは必要ない

表面だけを見れば、世界に、もうひとつのシューズブランドは必要ありません。けれど、ブランドはロゴや発売カレンダーから始まるものではない。「問題」から始まるものです。

何かを立ち上げる創業者は誰しも、いくつかの決定的な段階を通ります。最初はいつも同じ。ニーズを見つけること。もっと正確に言えば、本当の解決策が存在しないことに気づくことです。その気づきはたいてい、深い興味か、実体験か、苦労して手に入れた知識からやってきます。ときには、その3つすべてから。

私の場合、そのギャップを見ないでいることは、不可能でした。

最初に気づいたのは、ランナーとして、トレイルランナーとして、そして熱心なラケットスポーツプレーヤーとしての、自分自身の暮らしの中でした。トレーニングでも、レースでも、試合でも、いつもそれを感じていました。やがて大学での研究が、身体がすでに知っていたことを裏付けてくれます。靴には、もっと良いつくり方があるはずだと。そして、ナチュラルフットウェアを専門として10年以上フットウェア業界で働くうちに、同じ問題を内側からも見ることになりました。需要はある。解決策が、ない。

その確信が芽生えると、何か非合理なものに火がつきます。情熱が主導権を握るのです。「それは存在すべきか」を考えるのをやめて、「どうすればもっと良くつくれるか」を、強迫的に考え始める。

Notaceはそうして始まりました。頭の真ん中にあったのは、プロダクトです。

長く続くブランドは、例外なくプロダクトファーストです。いつも。トレンドは色あせ、マーケティングは移り変わる。けれどプロダクトが本当の何かを解決していなければ、他のすべては意味を持ちません。

生い立ちのせいか、私の情熱は自然とパフォーマンスに向かいます。物心ついた頃から、競技スポーツのそばで生きてきました。最初はテニス。4歳で始めました。それが、動きと、効率と、耐久性についての私の考え方をかたちづくりました。パフォーマンスとは過剰さのことではなく、意図のことです。

最初に思い描いたプロダクトは、派手なものではありませんでした。多用途であること。心から快適で、環境を選ばず、リアルな動きに耐えるだけの機能を備えたトレイルランニングシューズ。柔軟なミッドソール、ワイドなトゥボックス、そして不要な束縛のない一足。ひとつの用途のためだけに履くものではなく、暮らしの中でずっと生きるもの。

そこからラインは自然に広がりました。ロード&クロストレーニングのシューズ。テニス、パデル、ピックルボールのためのコートシューズ。どのプロダクトも、同じ場所から生まれています。人がどう動くかを見つめ、身体に逆らうのではなく、身体とともに働くフットウェアをつくること。

Notaceが成長し、より多くのスポーツに応えるようになっても、この哲学が変わることはありません。すべてのプロダクトには、存在する理由がある。すべてのデザインは、機能を最優先する。そしてすべてのシューズは、クリーンでミニマルな美学から着想を得る。本当に良く働くものは、声高に主張する必要がないからです。

そう。世界に、もうひとつのシューズブランドは必要ありません。

必要なのは、もっと良い解決策です。

Cedric Scotto

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